設置理由

 本グループは,機能性無機化合物の低次元ナノ構造設計と機能性有機化合物との複合化により,革新的な光機能材料を創出していく新しい学問分野を構築するために,関連研究者を糾合し,その交流を活発化することを目的とした活動を展開する.具体的には,様々な低次元の無機ナノ構造を設計し,それを“ゆりかご”として有機部位を異方的に組織化することによって高度な光物性を発現させることにより,新しい光機能材料を創出していく研究が対象となる.
 本グループメンバーはこれまで,無機・有機それぞれに化合物をナノ機能単位として捉え,棒状や板状など低次元無機ナノ構造の構築,低次元無機結晶と機能性有機化合物の組織化,さらにはそれら複合物質系の光物性や光化学機能発現をめざした研究を推進し,多くの成果を得てきた.例えば,層状結晶と光機能分子との組織化について,グループ全体として,世界的にトップレベルの知見を蓄積している.研究を通じて,低次元構造に基づく無機-有機複合系が新奇光機能材料として有望であるとの認識をもっているが,これまでの成果は,各メンバーの学問背景に基づいて異なる分野で発表され,要素的な知見にとどまってきた.
 しかし材料として実用化していくためには,無機・有機部位の構造設計・合成,無機有機の複合,光機能発現などの個別の知見を統合し,トータルの構造や機能を設計することが必要である.そのためには,関連学問領域の衆知を集めるために,研究者相互の情報交換の場を広く設け,研究協力を活発化することが必須となる.このような理由により新領域研究グループの設置を申請した.

関連する研究分野
無機化学,光化学,材料化学,コロイド・界面化学
事業計画
毎年6月 研究会(日本化学会 会議室)
毎年10月 年会特別企画等企画会議(日本化学会 会議室)